国道135号は南熱海の網代から峠を越え、宇佐美海岸に下る直前で大きくカーブする。カーブの左が城山で宇佐美氏の土塁跡と伝わっており、国道は城山の右を迂回して海岸沿いのバイパスに合流する。
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国道の開削によって尾根から切り離された現在の城山は不動産会社の私有地で、マンション建設の計画などがあるため立ち入り禁止だが、烏川の河口に近い教会の横から強引に藪漕ぎして登ることも出来る。
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まぁ登っても雑草が茂っているだけだし(崩れた土塁の石組みの痕跡があるとする主張する向きもある)、戦前には一高(昔の東大)の合宿所が建っていたから、800年前の史蹟など望むべきもない
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地図)。
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烏川沿いに建つ石碑の横から舗装された駐車場に登るとすぐ上は国道135号、草むらを左へ下ると斜面を切り取った平場に五輪塔が並ぶ伝・宇佐美氏累代の墓所に突き当たる。その先にはもう道はなく、雑草と潅木に覆われた急な斜面だけ。
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ずっと以前にここから強引に登って擦り剥き傷だらけになったが、頂上には100m四方程の平地の隅に小さな祠があるだけで勿論史跡案内の表示もない、知る人ぞ知るという
雰囲気の場所だ。来るのは物好きだけ。