熱海の海岸風景 昔日の「阿多美」または「熱見」 

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とりあえず、第一弾として海岸風景の紹介を。いずれ市街地や他の観光スポットも紹介しようと考えている。
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海底火山の噴火によって魚が死ぬほどの熱水が噴き出した、それが熱海の語源らしい。日金山の伝承に残る最も古い噴火の記録は応神二年 (271) だから、
ちょうど卑弥呼が没して(推定248年前後)大和王権が成立した頃だろうか。熱海と阿多見、どちらが先かは不明だが、一説に初めて阿多見を名乗ったのが
禅師・権律師の阿多見聖範。律師とは精神を集中して三昧に入り寂静の境地に達した僧を差し、僧正→僧都の下で正と権に分かれ五位に準じる。
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聖範は当時はもちろん神仏習合だった伊豆山権現の高位の僧だった、と伝わる。聖範の父 平直方(桓武平氏の祖 葛原親王 から六代目)は娘を 源頼義 の妻とし、
鎌倉にあった館を頼義に譲っている。頼義にとっては義父の関係であり、平氏の系ではあっても源氏との接点は多い。直方を祖としている北條氏系図の信憑性は
乏しいが、直方の係累が後に狩野川沿いの韮山に移住して北條氏を名乗った可能性も否定はできない。
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ただし直方から 北條時政 に続く部分には改竄が見られ、時政は狩野川東岸の半径1km程度を領有していた土豪の庶流に過ぎなかったとの説が正しい、かも。
当然ながら同じ熱海エリアで当時の主導的立場にあった 伊豆山権現 や支院の 密厳院(痕跡のみ)、あるいは 般若院(三ヶ所とも別窓)の存在についても、
併行して理解しておきたい。


     

           左: 海岸近くからニュー・フジヤホテルまで直線の「熱海銀座」。銀座町にあるから銀座なのか、この通りがあるから銀座町なのか判らない。
駿河銀行・パチンコ屋・土産物店があるだけで銀座とは名ばかりだが、繁華街だった名残はある。更に少し先の間欠泉・大湯の前にある老舗の
干物屋魚竹水産二階は直営の食堂で味もボリュームも価格もお薦めだったが...ずっと前に廃業した。これはちょっと残念だ。
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           中: 銀座通り入口を右に進むと間もなく海岸通り、その手前左に日産ディーラーとコンビニがある。裏の旅館街は全てマンションに姿を変えた。
日産の裏側にある 古屋旅館 が熱海で最後に残った老舗の和風旅館かも知れない。雰囲気は文句なしだが、料金はもちろんそれなりに高め。
敷地の一角には遠流された熱海で没した平安時代の僧善祐の墓も保存されている。詳細は古屋の歴史で。
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           右: そして、数年前までは廃業した大型ホテルが並んでいた海岸通り。殆どがリゾートマンションに姿を変えて雰囲気も少し改善されたが、
一時期はまるで廃墟みたいだった。もっと明るい外装色にすれば良いのに、と思う。通りの右手に「お宮の松」と「貫一お宮の銅像」がある。


     

           左: 夏には芋洗い状態になるサン・ビーチ。昔はもちろん自然の砂浜で、その後コンクリートのテトラポット、昭和63年に再び人工の砂浜に戻された。
白浜の様な白い砂がベストなのだが予算の関係で千葉県から運んでいるらしい。水質は伊東以南に比べると格段に悪い。
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           中&右: 高層マンションのすぐ前がビーチ、これは南仏みたいで(行った事ないけどさ)悪くない。私は海水浴シーズン以外なら時々ここで
犬を泳がせているので、毛色が濃い目の年老いたゴールデン・茶色・レトリーバを見掛けたら石など投げずに声を掛けてね。
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彼は2013年7月に癌のため没した。享年12歳、飼い主の私はペットロス症候群から抜け出せないでいる。


     

           上: サンビーチの隣に突き出した「ムーンテラス」。恋人たちの散策ルートで、花火大会の夜には絶好の桟敷席に姿を変える。花火大会は陽が沈んで
暫く過ぎた8時半前後から始まる。これは基本的に宿泊客にターゲットを絞ったもので、更に言えば月曜まで連泊させるには日曜夜の遅い時間が
ベストだろうと言う、実に姑息な発想に基づいている。「宿泊してくれたお礼に」とは考えないのが浅ましい。


     

           左: ムーンテラスの先端から伊豆山の方向を撮影。海沿い(ビーチライン沿い)はリゾートマンション、その上の国道沿いにはホテルが並ぶ。
遠くには真鶴半島、先端には微かに三つ石が見える。画像左側に計画されていた 日本ジャンボー のツインタワー高層マンション建設は中止に
なったらしい(売却益12億だと!)。この会社は湯河原に所有する源泉をタンクローリーで「横浜みなとみらい」のスーパー銭湯に運んでいる。
温泉には地域の財産という側面もあるのに、限りある資源を文字通り「湯水のように」浪費する、利益しか考えない、心の卑しい企業だ。
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           中: 「新しいリゾート熱海」を演出する親水公園遊歩道横のイベント広場。面白い企画がある休日は賑わうが普段は閑古鳥が鳴いている。
広場の地下は市営の駐車場で普通車なら30分100円、市営駐車場は全て同じで気軽に使える料金設定なのはありがたい。
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           右: 親水公園の遊歩道から熱海銀座の方向を。地下駐車場に続く平面駐車場周辺にもウッドデッキなどの休憩施設が設けられている。


     

           左: 遊歩道からサン・ビーチと伊豆山方向のマンション群を撮影。ベンチの数も多く、暖かな季節の散策にはピッタリの雰囲気がある。
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           中: ムーンテラスと反対の熱海漁港と熱海城方向。左の埋立地には有料の 海釣公園後楽園ホテル、右手にはプールを併設した体育施設の
マリンスパ熱海、ここは隣の市営和田浜駐車場が2時間分無料になるから結構リーズナブルではある。
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           右: ムーンテラスから見る スパ・マリーナ熱海(第三セクター経営)。首都圏に近いだけで給油・揚陸・整備の機能を持たない、ただの係留施設だ。
伊東の道の駅・マリンタウンに併設した サンライズ・マリーナ の方が1割ほど高いが、設備は段違いに良く整っている。

     

           上: マリーナの風景。親水公園全体に言えることだが、機能的には上記した伊東の道の駅・マリンタウンに比べ見劣りしているのが否めない。
テラス付きの食事処や物販の施設も遥かに多いし広い駐車場は無料、マリーナ全体を囲む堤防も先端まで歩けるし、すぐ近くには比較的安い
スタンドや回転寿司もある。伊東の施設も全体ではまだまだ赤字らしいけど、観光地としての魅力では完全に差を付けられてしまったね。


     

           上: 親水公園の遊歩道は4段に造られ、一番上は石畳と磁器タイル・次の2段はレンガタイル・一番下のマリーナ沿いは木製のデッキ。
海を背にして左側には「ワカガエルステーション」という名の観光案内所がある。更に200mほど左(南)で海に流れ込む和田川の少し上流に
頼朝伝説が残る今宮神社があり、その一帯が北條時政の先祖・和田四郎大夫(一説に、時方)の所領と伝わっている。伊豆遠流に処された
善祐の墓も、元々はこの付近にあったらしい。


     

           左: 観光ステーション近くに観光船「ゆーみんアルファ」の桟橋が新設された。約30分で1200円、予約制の花火クルーズもある。詳細はこちら で。
伊東のマリンタウンでも開業以来同じような企画を続けている(詳細はこちら)。熱海もこれに刺激されたらしい。
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           中: 観光ステーションの更に漁港よりからムーンテラスの方向を振り返る。親水公園沿いは下り(下田方向)の一方通行、100mほど山側の
上り車線(小田原方向)沿いには 業務スーパーホームセンター、観光スポットの 起雲閣 などがある。
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そうそう、近くには数軒のガソリンスタンドがあり、もちろん市街地を離れた国道沿いにも点在しているが市内のスタンドは軒並み高い。
ガス欠しそうな場合や、ガソリンの値段なんか気にしない裕福な人以外は、他の地域とリッター当り10〜20円違うのを覚悟しよう。
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           右: 反対側の漁港近くからは初島や伊豆大島行きのジェット船が出港している。詳細は 東海汽船 で。いずれは遊歩道がフェリー岩壁まで
整備する予定になっているらしい。ついでに熱海の物価について書くと、市役所近くのマックスバリュ、上記の業務スーパー、多賀地区の
ヤオハン(現在はマックスバリュ)などの大型店(中型店?)を利用する限り、他の地域と大差はない。ただし個人商店(の一部)は昔ながらの
殿様商売してるみたいだけど...。